【床矯正(しょうきょうせい)ブログ第5回】

2025.04.24

自然な力でゆっくり整える、床矯正の進め方。

― 装置の特徴と、成長に合わせたサポート方法 ―

こんにちは、しゃもとデンタルクリニックの社本です。

今回は、床矯正シリーズ第5回として、
床矯正の進め方と、装置の特徴についてお話ししていきます。

床矯正は、「あごの成長を生かして、自然なスペースを作っていく」
とてもやさしい矯正方法です。

では、実際にどのように進めていくのか、
一緒に見ていきましょう!


床矯正の流れ

床矯正は、大まかにこのようなステップで進めていきます。

  1. 初診カウンセリング(相談)
    お子さんのお口の状態を拝見し、
    床矯正が向いているか、また治療のタイミングについてご説明します。
  2. 精密検査・診断
    レントゲン撮影、口腔内写真、型取りなどを行い、
    成長のバランスや歯並びの状態を詳しく確認します。
  3. 装置の作製・装着
    お子さん専用の床矯正装置を作製し、
    使い方や注意点を丁寧にお伝えします。
  4. 定期的な調整・経過観察
    1ヶ月に1回程度のペースで来院していただき、
    成長に合わせた調整やサポートを行っていきます。

床矯正装置の特徴

床矯正で使う装置には、次のような特徴があります。

  • 取り外しができる
    食事や歯みがきのときには外してOK。
    装置を清潔に保てるので、虫歯や歯肉炎のリスクも抑えられます。
  • ゆっくり、やさしく広げる
    急激な力で歯を動かすのではなく、
    歯を支える骨ごと、少しずつアーチを広げていきます。
    (骨そのものを急激に広げるわけではありません。)
  • 痛みが少ない
    自然な成長の力に寄り添うため、ワイヤー矯正に比べて痛みは軽めです。
  • 毎日のコツコツがとても大切
    「毎日どれくらい装着できたか」が、治療の成果に直結します。

無理をさせず、
お子さんとご家族で一緒に頑張っていくことが大切です。


装置の使い方について

床矯正装置は、
毎日できるだけ長い時間使うことが大切です。

目安としては、
小学校から帰ってきたあと〜翌朝、登校するまで
13〜14時間くらい装着できると、効果が出やすくなります。

四つのコマで、小学校から帰宅して装置を装着した男の子、夕食を食べる男の子、夜に眠る男の子、朝にランドセルを背負って登校する男の子の様子が描かれた、やさしいタッチのイラスト。A gentle four-panel illustration showing a young boy: coming home from school and wearing a dental appliance, eating dinner, sleeping peacefully at night, and heading out with a backpack in the morning.

特に夜間は、
メラトニンというホルモンが多く分泌される時間帯です。

メラトニンには、
骨の代謝(リモデリング)を促進する働きがあり、
夜寝ている間に装置を使うことで、
より自然に、体に負担をかけずに歯や骨が整いやすくなります。

無理なく続けられる生活リズムを作ること――
それが、床矯正をうまく進めるための大切なポイントです。


成長に合わせたサポートと、噛むことの大切さ

床矯正は、「装置を入れればそれで完成」という治療ではありません。
むしろ、そこからが本当のスタートです。

装置によって拡げられた歯列は、
しっかり「噛む」ことで、骨やあごの成長を促し、安定していきます。

噛む刺激は、

  • 歯を支える骨に自然な力をかけ
  • 咬合圧を通して骨の成長を促し
  • 広げた位置に本当に骨や歯列を「育てて」いく力

になります。

つまり、
床矯正は「装置でスペースを作る」+「噛むことで成長させる」、二つの力が合わさって初めて成功する治療です。

装置だけに頼るのではなく、

  • よく噛む習慣を育てること
  • 鼻呼吸を促すこと
  • 姿勢や食事を意識すること

こうした日常の小さな積み重ねが、
お子さんの成長を支える大きな力になります。


実は、装置を使う前からできることもあります

床矯正のスタートは、
前歯の生え替わりが始まる7歳頃が目安になります。

でも、それ以前――
乳歯列の時期からでもできる大切な準備があります。

それは、

  • よく噛むこと
  • 正しい舌の位置や飲み込み方(MFT・口腔筋機能療法)
  • 本来の成長力を引き出すための**BFT(バイオファンクショナルセラピー)**的な考え方

こうした基本的な口腔機能を整えておくことです。

しっかりと口腔機能が育っていると、
いざ装置を使い始めたとき、自然な成長をスムーズに促すことができます。

装置だけに頼るのではなく、「育ち」をサポートしていくこと。
これが、私たちが床矯正に込めている一番の想いです。


まとめ

床矯正は、
お子さんの成長の力を最大限に生かしながら進める、やさしい矯正方法です。

  • 装置でスペースを作り
  • 噛むことで成長を促し
  • 日常生活を整えながら育てていく

この三本柱を大切に、
焦らず、一歩ずつ、
未来へとつながるサポートをしていきましょう。

次回は、
**「床矯正と呼吸・姿勢・食べ方との深い関係」**についてお話ししていきます!

ぜひ引き続きご覧くださいね!

(しゃもとデンタルクリニック 社本 光央)

📘 前回の記事はこちら
👉 中学校歯科健診で見えた、子どもたちの今。(第4回)
📗 次回の記事はこちら
👉 正しい呼吸・姿勢・食べ方が、未来を変える。(第6回)

鹿児島市明和の歯医者さん、しゃもとデンタルクリニックでは、
お子さんの“お口の育ち”をやさしく見守っています🍼🦷

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