【床矯正(しょうきょうせい)ブログ第6回】

2025.04.25

正しい呼吸・姿勢・食べ方が、未来を変える。

― 歯並びだけじゃない、体全体の成長を支える床矯正の世界へ ―

こんにちは、しゃもとデンタルクリニックの社本です。

今回は、床矯正シリーズ第6回として、
呼吸・姿勢・食べ方と、お顔や体の成長との深いつながりについてお話しします。

床矯正は、
単に歯並びを整えるための治療ではありません。
お子さんの体全体の育ち方を支える、とてもやさしい治療法です。

では、なぜ日常生活がこれほど大切なのか――
一緒に見ていきましょう!


床矯正は「歯並び」だけを見ていない

床矯正は、
「装置で歯を並べる」だけの治療ではありません。

日本床矯正研究会では、
バイオファンクショナルセラピー(BFT)という
体本来が持つ自然な成長力を引き出す治療を中心に考えています。

床装置は、あくまでも
その育ちをやさしく支えるサポート役

装置だけに頼るのではなく、
お子さん自身の力を信じて、無理なく、のびやかに育っていけるように
そっと背中を押していく――

それが、私たちが目指す床矯正のあり方です。

私自身も、
まだまだ学びの途中です。

経験豊富な先生方と交流し、
古くから伝わる知恵をたずねながら、
そこから新しい未来を切り開いていく――

まさに、**「温故知新」**の心を大切に、
より良い床矯正をたくさんの子どもたちに届けていけるよう、日々取り組んでいます。


呼吸と成長方向

呼吸は、顔の成長方向を大きく左右します。

✅ 鼻呼吸ができていると、
上顎は横方向・前方向に自然に広がりながら成長します。

✅ 反対に口呼吸が続くと、
上顎は下方向へ引き伸ばされ、顔が縦に長く成長しやすくなります。

子どもの横顔のイラスト。左側は下方向に成長した例で、顔が縦に長くなる様子を示している。右側は前方向に成長した例で、顔が立体的に整う様子を示している。赤い矢印で成長方向を示している。An illustration showing side profiles of children. The left side depicts downward growth, resulting in a longer vertical face. The right side depicts forward growth, leading to a well-balanced and more defined facial structure. Red arrows indicate the direction of growth.

【挿絵】(成長方向イメージ図:前方向 vs 下方向)
※イラストはJSROの花田真也先生より提供いただいたものを元にしています。

また、鼻呼吸を促すことで、
鼻腔の発達も促され、
自然と鼻筋が通った顔立ちに育ちやすくなることもわかっています。

呼吸は、歯並びだけでなく
顔のバランスや全体の印象にも深く関わるのです。


顔の奥行きとラグビーボール型

顔のバランスについて、
漫画「ちはやふる」の作者・末次由紀さんがSNSで投稿されていました。
なるほどそういう視点はなかったと感銘を受けましたのでご紹介いたします。

※本記事で紹介している画像は、作者様より掲載の許可をいただいております。

主演・広瀬すずさんとの出会いを例に挙げ、
「顔が小さいとはどういう現象なのか」
と紹介されていました。

顔がただ広いだけでなく、
しっかり奥行きがあることで、コンパクトで立体的な顔立ちに見える。

こうして立体的に捉えながら、2次元の世界で表現している姿に、
漫画家という職業のプロフェッショナルを感じました。

そして同時に、
この顔立ちの違いは、
鼻呼吸と、前方への自然な成長によって育まれていく過程に起因しているのではないか――
そんなふうにも感じました。


姿勢と成長、そして睡眠の関係

姿勢も、顔やあごの成長に深く関係しています。

  • 猫背になると、舌の位置が下がりやすい
  • 舌が下がると、口呼吸になりやすくなる
  • 口呼吸は、顔の下方向成長を助長してしまう

さらに、舌の低位は
寝ているときの呼吸にも影響します。

  • 舌が喉の奥に落ち込んで気道を狭め
  • いびきの原因になり
  • ひどい場合は**小児の睡眠時無呼吸症候群(SAS)**にもつながります

睡眠時無呼吸症候群は、
成長ホルモンの分泌不足や
集中力・感情の不安定にも影響するため、
健やかな発育のためにも正しい姿勢と呼吸がとても重要なのです。


食べ方とあごの成長

食事も、あごや顔の成長に大きく関わっています。

  • やわらかい食事ばかりだと噛む力が育たない
  • しっかり噛むことで顔周りの骨や筋肉が刺激され、育つ
  • 特に前歯をよく使う食べ方が大切

毎日の食事で
「前歯でかじる」「奥歯でしっかり噛む」
そんな意識を持つことが、未来のあごの成長を支えます。


顔立ちと体のバランスを見る大切さ

しゃもとデンタルクリニックでは、矯正開始前に

  • 正面・横顔・斜め方向からのお顔の写真
  • 全身の姿勢の写真
  • 【挿絵】斜面板に立っている子どものイラスト

を撮影させていただいています。

また、角度が変えられる専用の**斜めの板**に乗っていただき、
体の重心の位置やバランスも確認します。

これらの検査は、
単に「歯並びだけ」を見るのではありません。

お子さんの体全体の成長をサポートするために
必要な大切な情報を集めるためのものです。


成長の実例:サマンサとケリー姉妹

成長方向の違いを象徴する有名なエピソードに、
ジョン・ミュー(John Mew)先生の紹介する
**「サマンサとケリー姉妹」**の事例があります。

同じ親を持ち家庭環境も共通する姉妹でも、

  • 口唇を閉じて育った子(前方向成長)
  • 口を開けたまま育った子(下方向成長)

で、大人になったときの顔立ちに大きな違いが現れました。

※出典は「The Cause of Malocclusion/John Mew著」

顔の成長方向は、日常の生活習慣によって大きく左右される
ということを、このエピソードは教えてくれます。


まとめ

床矯正は、
歯並びをきれいにするためだけの治療ではありません。

呼吸、姿勢、食べ方――
体全体の成長を育てるサポートをしていく治療です。

お子さんたちの未来が、
のびのびと健やかに育っていくように。

しゃもとデンタルクリニックは、
歯並びだけでなく、心と体の成長を支えるパートナーでありたいと思っています。

次回は、
床矯正のデメリット・注意点についても、正直にお伝えしていきます!

どうぞ、引き続きご覧くださいね。

(しゃもとデンタルクリニック 社本 光央)

📘 前回の記事はこちら
👉 自然な力でゆっくり整える、床矯正の進め方。(第5回)

📗 次回の記事はこちら
👉 床矯正のデメリットと注意点も、正直に。(第7回)

鹿児島市明和の歯医者さん、しゃもとデンタルクリニックでは、
お子さんの“お口の育ち”をやさしく見守っています🍼🦷

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