【床矯正(しょうきょうせい)ブログ第3回】

2025.04.22

なぜ、子どもの歯はきれいに並ばない?

― 現代の生活習慣と、口腔機能発達不全症という課題 ―

こんにちは、しゃもとデンタルクリニックの社本です。

今回は、床矯正シリーズ第3回として、
「なぜ最近、歯がきれいに並ばない子が増えているのか?」
についてお話ししていきます。


昔と今で、何が違うの?

少し前までは、
「あごが小さくて歯が並ばない」という子はそれほど多くありませんでした。

昔の子どもたちは、

  • よく噛まないと食べられない硬い食事
  • しっかり鼻で呼吸する生活習慣
    などによって、自然とあごや顔の骨格が発達していたのです。

現代の子どもたちに起きている変化

現代では、食生活や生活習慣が大きく変わっています。

例えば…

  • 食事がやわらかく、噛む回数が減った
  • 鼻炎やアレルギーによる口呼吸が増えた
  • スマホやタブレットの影響で姿勢が悪くなりがち

こうした環境の変化によって、
あごの発達が追いつかず、歯が並ぶスペースが足りなくなっている
と考えられています。

実際に、こうした背景を受けて
「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」
という病名も新たに生まれました。

これは、

  • 噛む
  • 飲み込む
  • 話す
  • 呼吸する
    といった、お口の基本的な機能が十分に発達しない状態を指します。

国も、子どもたちにこうした問題が増えていることに警鐘を鳴らしており、
歯並びの問題だけでなく、成長と健康全体に関わる社会的な課題として認識されています。


もしかして遺伝?私のせい?と思った方へ

現代の子どもたちの歯並びの乱れは、
親御さんの中には「私の遺伝かな…」「育て方のせいかな…」と不安に思う方もいるかもしれません。

でも実は、
遺伝情報が大きく変化するには、何千年という長い時間が必要だと言われています。

一方で、ここ50年ほどの間に起きた急激な変化――
食生活、呼吸の仕方、生活環境――
これらがあごの発達や歯並びに大きな影響を与えているのです。

つまり、
**これは「個人の責任」ではなく、「社会全体の環境変化によるもの」**だと考えられています。

お子さんの歯並びについて、
「どうして?」と思ったとき、
まずはどうかご自分を責めないでくださいね。

私たちは、その環境の中で、
できるサポートを一緒に考えていくためにここにいます。


あごの発達は「育つチャンス」がある時期が大切!

あごの成長には、
**育つタイミング(ゴールデンタイム)**があります。

特に小児期(6歳~10歳頃)は、

  • 骨格が柔軟に成長する
  • 呼吸や噛む力を育てる
    とても大切な時期です。

さらに、もっと早い段階――
赤ちゃんの頃からも、あごの発達は始まっています。

たとえば、
**正しいラッチオン(吸着授乳)**によって、
赤ちゃんが上顎に舌を押し当て、吸う力で自然と上顎が広がる成長が促されます。

▶︎ ラッチオンとあごの発達についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています

このように、
成長のチャンスをひとつひとつ生かしていくことが、将来の歯並びや呼吸の発達にもつながっていきます。

だからこそ、
できるだけ早い段階で気づき、小さなサポートを始めることが大切です。


まとめ

今、子どもたちの歯並びに問題が出るのは、
決してめずらしいことではありません。

むしろ、
社会全体の環境変化が大きく影響していると言えます。

だからこそ、

  • 「なぜこうなっているのか」を知ること
  • 「早いうちからできるサポートを考えること」

この2つが、お子さんの未来を守るためにとても大切だと思っています。

次回は、いよいよ
床矯正の具体的な進め方や、装置の特徴についてお話ししていきます!

どうぞ引き続きご覧くださいね!

(しゃもとデンタルクリニック 社本 光央)

📘 前回の記事はこちら
👉 床矯正とは?自然な成長を支える矯正(第2回)
📗 次回の記事はこちら
👉 中学校歯科健診で見えた、子どもたちの今。(第4回)

鹿児島市明和の歯医者さん、しゃもとデンタルクリニックでは、
お子さんの“お口の育ち”をやさしく見守っています🍼🦷

POST|月別

診療時間
9:30-18:00

休診日
日・祝・木曜午後

お電話(予約優先)

099-204-0085

099-204-0085

〒890-0024
鹿児島市明和1丁目25-1
ファミリープラザめいわ1F

休診日

午前休診

午後休診