2025.04.20
子どもの歯ならび、ずっと気になってた。
― 矯正専門医じゃない僕が、床矯正を学び始めた理由 ―
こんにちは、しゃもとデンタルクリニックの社本です。
小児歯科の診療を続ける中で、
ずっと胸の中に小さなモヤモヤがありました。
それは、
子どもたちの「歯ならび」のこと。
むし歯や歯ぐきのケアには自信を持って取り組んできましたが、
歯ならびについては、
矯正専門医ではない僕には
できることが限られていると感じていました。
「この時期なら、自然に並んでくるかもしれないから、もう少し様子を見ましょう。」
そうお話しすることもありましたが、
本当は、
もっと寄り添える方法を探したいと思い続けていました。
ちょうどそのころ、
コロナ禍の影響でオンライン講義が広がり始めていました。
その中で偶然知ったのが、
日本床矯正研究会(JSRO)でした。
今まで自分が思っていた“矯正治療”とはまったく違うアプローチ。
顎の成長を味方にしながら、抜歯を避け、やさしく歯ならびを整えていく
そんな方法があることに、衝撃を受けました。
「もしかしたら、僕にもできることがあるかもしれない。」
そんな小さな希望が、心の中に芽生えた瞬間でした。
対面講義が再開されたタイミングで、
思い切って東京へ飛びました。
そこで受けたのが、
日本床矯正研究会の創設者・鈴木設矢先生と、
福岡の花田真也先生による講義でした。
その分厚いテキスト以上に心を動かされたのは、
花田先生もかつて、
僕と同じように“モヤモヤ”を抱えていたということ。
そして、鈴木先生の講義を受け、その考え方に出会い、
大きく変わっていったという話を聞かせてもらった時、
「これはまさに今の自分だ」
と強く共感しました。
「これなら自分にもできる。
変われるかもしれない。」
そう思った瞬間の気持ちは、
今でもはっきり覚えています。
僕自身が学び始めた「日本床矯正研究会(JSRO)」では、こうした取り外し式の床矯正装置を使い、子どもの成長を活かした治療を行います。
(※写真はJSRO公式サイトより引用)(https://jsro.jp)
講義を受けたあの日から、
床矯正に関する学びが一気に加速しました。
床矯正は、
ただ「歯を並べるためだけ」の治療ではない。
子どもたちの育ちそのものを支える医療なんだ
と、心から思えるようになりました。
まだまだ学びの道は続いていますが、
今も変わらず、
「もっとできることがあるはず」
という気持ちで向き合っています。
学びの中で実感したのは、
JSROの先生たちの温かさでした。
それぞれが自分たちの日々の診療を持ちながら、
全国の経験の浅い先生たちの症例相談にも親身に応じる。
自分のクリニックの患者さんだけでなく、
日本全国で悩んでいる子どもたちやその家族の力になりたい
そんな思いを本気で持った先生たちが集まっていました。
床矯正という方法がこうやって長い歴史の中でも
受け継がれてきたのは、どの時代にもこういう先生たちがいて
繋いできたんだろうなと思ったりします。
このネットワークに出会えたことも、
僕にとって大きな支えになっています。
永久歯が生えそろう前、6〜9歳ごろ。
この“顎がまだ成長している時期”こそ、
とても大切なタイミングです。
床矯正は、
成長に合わせて、取り外し可能な装置で少しずつ整えていきます。
見た目の歯並びだけでなく、
「噛む」「呼吸する」「話す」といったお口の機能を育てる
そんな治療なんです。
もっと言えば、
装置はあくまで補助的なもの。
本当に大事なのは、
子どもたち自身の機能を育てていくことなんだと、今は心から思っています。
「早くやらなきゃ」ではありません。
でも、今だからこそできることがある――
それを知ってもらえたら、嬉しいです。
これから数回にわたって、
床矯正について、
僕なりの視点で、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
次回は、
「床矯正って何?」
について、さらに詳しくご紹介していきます。
ぜひ、楽しみにしていてください。
(しゃもとデンタルクリニック 社本 光央)
📗 次回の記事はこちら
👉 床矯正とは?自然な成長を支える矯正(第2回)
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